Category 最長片道切符

日本最北端へ、そして南へ――最長片道きっぷの旅、はじまる。

長年の夢が、ついに動き出した

「いつかやってみたい」と思い続けて、いったい何年が経っただろう。JR線を最長の片道ルートで乗り継ぐ、あの「最長片道きっぷの旅」。約10600kmにも及ぶ長い旅路がついに今始まろうとしてる。

2024年3月27日、朝。胸の高鳴りを抑えながら飛行機に乗り込み、窓の外へと目をやった。

機窓から望む雪を戴いた山脈。空の青さが、旅の始まりを祝福しているようだった

眼下に広がるのは、真っ白に雪化粧した山々。見渡す限りの青と白の世界に、「ああ、旅が始まったんだ」という実感がじんわりと押し寄せてきた。


最北の地、稚内へ

新千歳空港で乗り継ぎ、稚内空港へ。降り立った瞬間、頬を刺す冷たい空気が「ここは本州とは違うぞ」と体に教えてくれる。列車の時間まで余裕があったので、まずはノシャップ岬へと向かった。

岬に着くと、海の向こうに白い恋人でもおなじみのあの山の姿があった。

ノシャップ岬に立つイルカのモニュメント。その向こうに広がる日本海は、深く静かに青かった

岬のモニュメントの先に広がる日本海の青さは、息を呑むほどだった。そして近くの稚内市立ノシャップ寒流水族館へ立ち寄ると、愛嬌たっぷりの住人たちが出迎えてくれた。

ごろんと寝そべるゴマフアザラシ。その丸いフォルムと半目の表情に、思わず笑みがこぼれた

鉄柵の隙間から見つめるゴマフアザラシの、なんとものんびりした表情。旅の緊張がほぐれていくようで、しばらく眺め続けてしまった。


宗谷本線、南へ

稚内駅に戻り、今旅最初の列車に乗り込む。

青空に映えるJR稚内駅。電光掲示板には「4.2℃」の表示——東京では桜が咲きだすこの時期に最北の地稚内ではまだ厚手のコードがないと凍えるほどの冷たさであった。

真新しいモダンな駅舎を背に、プラットホームへと降りる。そこに待っていたのは、鮮やかな青い車体の特急列車だった。

稚内駅に停車する特急「宗谷」。この青い車体に乗り込んだ瞬間、旅が本格的に動き出した

特急「宗谷」のシャープな青いフォルムを目の前にすると、胸が熱くなる。これから宗谷本線を南下し、石北本線との分岐駅である新旭川まで向かうのだ。座席に腰を落ち着け、車窓に顔を向けると、北海道の原野が静かに流れていく。

そして日が傾き始めた頃、車窓に飛び込んできた光景に息が止まった。

夕暮れの日本海に浮かぶ利尻富士。橙色に燃える空と凪いだ海、その中心にそびえる姿は、今まで見たどの山よりも美しかった

地平線が燃えるような橙色に染まり、その向こうに利尻富士が静かにシルエットを浮かべている。思わずスマホを構えながら、目頭が熱くなるのを感じた。長い旅の始まりの日に、こんな景色を見せてもらえるなんて。「来てよかった」という言葉しか出てこなかった。


旭川の夜、ラーメンとゲストハウス

新旭川に着いた頃には、すっかり夜になっていた。旭川市内に出てまず向かったのは、もちろんラーメン屋。

醤油ベースの濃厚なスープがからむ縮れ麺を一口すすった瞬間、全身に温かさが広がっていく。冷えた体に、旭川ラーメンは本当に染みた。

宿は、長旅を見越してしっかり個室のあるゲストハウスを選んだ。5,000円でプライベートな空間が確保できるのはありがたい。布団に横になり、今日一日を振り返る。飛行機から見た雪山、ゴマフアザラシの寝顔、そして夕暮れの利尻富士――。まだ1日目だというのに、記憶はもうすでにぎっしり詰まっている。


旅はまだまだ始まったばかり。明日は網走・釧路方面へと向かいます。この旅が自分をどこへ連れて行ってくれるのか、今から楽しみでたまりません。「いつかやりたいこと」を抱えているあなたも、ぜひ一歩踏み出してみてください。旅は、必ず応えてくれますから。

猫猫最長片道切符の旅

猫猫最長片道切符の旅の旅行記

最長片道切符

それは究極の乗り鉄

ここでは、茶碗蒸ねこが2024年3月〜5月にかけて行った

最長片道切符のエピソードを書き綴っていきます。

1.秋葉原で経験者のトークショーに参加する話

2.東京駅&新宿駅に切符を申し込みに行く話

3.切符ができたと連絡が入り受け取りに行ったあと出発の準備をする話

4.出発の日の話

5.1日ごとのエピソードを書いていく

駅に切符を買いに行くのはなし